書感:内臓脂肪を最速で落とす(最速・・・なのか?)

書籍「内臓脂肪を最速で落とす」を読みました。 

 内臓脂肪とは何か? 内臓脂肪が付くと何が悪いのか、どう怖いのか? 内臓脂肪を落とすにはどうすれば良いのか? ということが、分かりやすい文章で書かれています。新書サイズで文量も多くないのでさくっと読むことができます。

 

内臓脂肪が付くと、高血圧になり、糖尿病になり、がんになり、胆石や不妊症も引き起こし、果ては認知症のリスクも高める、と、既に脂肪肝の私をこれでもかと脅してきます。(実際そうなのでしょうけど・・・)

まぁ、言われなくても肥満&内臓脂肪が体に悪いってこと自体は知っていたのですが、ここまで畳みかけられると「さすがにやばいかな・・・」と気になってきます。数年前からこれ以上太らないように・・・と気を付けていますが、そろそろ本気でやせるかーという気にもなってきました。

 

さて、この書籍を読んで新たに学んだことが2つあります。

1つ目は、内臓脂肪が付く場所です。ここ十数年の間、内臓脂肪めっ!と、憎く思っていたのですが、具体的にどこに付いてる脂肪かって、あまり考えたことがなかったのですね。なんとなく腸の周りに隙間なくべっとりくっついてるイメージでいたのですが、ちょっと違いました。

腹筋と小腸&大腸の間にある腸間膜(小腸や大腸の一部をおなかの中でずれないように支える膜:1つの臓器でもあるらしい)という膜の間に付くのだそうです。腹筋と腸の間にこんな膜があるとは知らなかった・・・。おまけとして、いくら内臓脂肪を減らしても割れたお腹は手に入らないということ。腹筋の前にいる邪魔な皮下脂肪がなくならない限りお腹は割れないそうな(涙)。

2つ目は、日本人(アジア人)が内臓脂肪が付きやすく、糖尿病になりやすい人種だということ。日本人は、内臓を支える腹横筋と腹斜筋が弱く、筋肉で支えられないので、その代わりに内臓脂肪で支えているとのことで、これは遺伝的要素の為、どうにもならないようです。

まるまると太った大きな欧米人が糖尿病ではないと聞いて「本当かよ?」と思っていたのですが、彼ら/彼女らの脂肪の大半が皮下脂肪で内臓脂肪ではなかったということなのでした。ずるいよ!

 

ともあれ、遺伝要素に文句を言っても仕方ないので、じゃぁどうやったら痩せるのか?なのですが、こちらは正直、あまり参考というか新たに知ったことはあまりありませんでした。

超絶簡単に言ってしまえば、『摂取エネルギー < 消化エネルギー』となれば痩せるし、逆になれば太るという、覆しようのない真実が書かれています。

その上で、食事の観点(=摂取エネルギー)と、運動の観点(=消化エネルギー)から痩せるためのヒントが書かれています。

食事の観点では、いろいろ書かれてはいるのですが、少しでも摂取エネルギーが少なくなるような食べ方として野菜から食べましょうとか、そもそも食べ過ぎなのが肥満の原因なので毎食2口分減らしましょう、炭水化物ダイエットなどの極端な食事に走るのではなくバランスよく食べましょう、など、とても基本的なこと、でも医学的に正しいことが書かれています。

運動の観点では、1日3,000歩分=30分の歩行、もしくは、息が弾む程度の運動を1日30分、週5日行うことを推奨しています。要は、早歩きなど、少し息が上がる程度の有酸素運動を1日30分×週5日行いましょうということです。

このように、食事と少し減らし(1日110kcal減)、日々の運動(1日90kcal分)を10ヶ月続ければ、内臓脂肪が8.6kg減り、腹囲も約8.6cm小さくなるとのことです。1年だとちょうど10cmですね。腹囲10cm減すれば、だいぶ見た目の印象も変わりそうだな。

 

でも、最速っていうとラ○ザップみたいな3ヶ月で10kg減みたいなイメージでいたので、ちょっと肩透かし感がありました。まぁ、キツいダイエットにトライして、リバウンド体質になるくらいなら、無理なく現実的な方法で痩せましょうってことですかね。

とは言え、書かれていること自体は至極まっとうで、多くの人が実践できそうな内容ですし、食事や運動についても様々な知識を幅広く習得できるので、良い書籍だと思います。また、ダイエットで調べると出てくる様々な通説に対する現時点の医学での見解が書かれていて、裏付けが怪しい情報に振り回される前に読むと良いかもです。

 

と言うことで、痩せたいけどどんな方法で痩せれば良いか良く分からない、かつ、1年くらいかけてゆっくり痩せれば良いと思っている人にはお勧めの書籍です。