書感:米海軍で屈指の潜水艦官庁による「最強組織」の作り方(実行するのが難しいのです)

書籍『米海軍で屈指の潜水艦官庁による「最強組織」の作り方』を読みました。 

 

アメリカの原子力潜水艦サンタフェにおけるリーダーシップ改革について紹介・説明した書籍です。

1999年に艦長となった著者のデビッド・マルケ氏が、当時最低ランクだったサンタフェを「命じるリーダーシップ」から「委ねるリーダーシップ」に試行錯誤しながら変えていったことで、僅か1年で平均以上の優秀艦に変貌し、その後は次々と海軍全体に優秀なリーダーを輩出するトップクラスの潜水艦になりました。また、マルケ氏が退任した後も優秀艦であり続け、10年経過した後でも軍の平均よりもはるかに高い確率で乗員が昇進を遂げ続けているという艦長個人の技ではない改革です。


マルケ氏が艦長になる前のサンタフェは、すべての評価項目において最低ランクの落ちこぼれ艦で、乗員の意欲はなく、時間が守られない、評価が適正に行われない、作業ミスが多い、自発的に行動しない・・・など、目も当てられない状態でした。

こうした状況から、マルケ艦長は、トップダウンが当たり前の軍の中で異例とも言える「委ねるリーダーシップ」を導入することを決意します。

なぜ、従来のトップダウン方式のリーダーシップが良くないのか、端的に書かれていたのが、サンタフェの乗員は艦長を含めて135名いて、火器、機関、航海、補給の4科で構成されるのですが、トップダウン方式の場合、様々なことを判断し意思決定をするのは、艦長と4科の科長のわずか5名だけとなってしまうからということです。

他の乗員は全て「言われたことをやるだけ」。自分の頭で考えることを拒否しており、135名の乗員がいる中で、観察、分析、問題解決に全力であたるのはたった5人しかいない。これでは、組織の力はフルに発揮できません。


書籍では、マルケ氏が、その様な状態だったサンタフェを、艦長就任時から試行錯誤しながら段階的に委ねる範囲を拡げていく様子が時系列に沿って描かれています。具体的に困ったエピソードが描かれ、その原因の分析をし、どの様に考え対処したかが書かれているので、非常に分かりやすいです。

例えば、最初の頃に行ったこととして、各科の科長が帰宅前に副長(副艦長)に対して「今日は他に仕事はないか?」と尋ねやり残しの仕事がない場合はそのまま帰宅するという確認作業を、科長自身から今日やった業務と進捗状況、重要なマイルストーンに対する今後の見通し、また、予定していた業務で実施できなかったこととその対策を報告させる形に変えさせました。
これは、前者の方式だと、副長が各科長のやるべきことを指示する形になり、責任も副長が持つことなってしまう=科長自身が自分で自分がやるべき仕事に責任を持たなくなってしまうことになるからです。

 

マルケ氏が実施したことは多岐に渡り、この書感で全てを書くことはできませんが、成功は細部にやどるというか、なるほどーと思ったのは、以下の4点です。

  1. 新しい仕組みや権限移譲に関することを、組織の正式な権限文書に記載する。
  2. メンバーの意識を変えさせてから行動を変えようとするのではなく、これまでとは違う行動を取らせることから始める。そうすれば、新しい考え方は後からついてくる。
  3. 委ねるためには、委ねられる側の技能を高める必要がある。そのために、つねに学ぶ文化を定着させた。
  4. 大事なメッセージは繰り返し発信する。


1については、口だけの権限移譲ではなく制度として明文化する(=公式のものにする)ことで、本気度が分かるし、長が変わっても永続する仕組みになります。

また、一時的な権限移譲の場合は、いつでも上長が権限を剥奪することが可能ですが、正式な文書で権限を記載してしまえば、上長の意思で勝手に剥奪することができなくなります。

 


2についての例で面白かったのは、各自の作業を実施するとき、海軍では「○○をせよ!」と命令されたことを下位の者が実施するのが通常だが、これを「これから〇〇をします(必要があれば、判断の理由や準備ができていることの説明を加える)」と下位の者から実施する作業を報告させることにしたことです。

これにより、作業の実施者が当事者意識を持つというのです。

上司に従うだけの者は、「権限が自分にない言い方」をするのが特徴で、以下のような言い方をします。

  • ~の許可をお願いしたいのですが。
  • ~できればと考えています。
  • どうすべきだとお考えですか。

対して、自発的に行動する者は、以下のように「権限が自分にある言い方」をするそうです。

  • これから~します。
  • 私の計画では~。
  • ~をしましょう。

私自身の経験に照らしても、確かにそうかも、と思いました。

 


3については、私自身苦労していたので、その通りだと心底実感していますが、権限を委ねて自発的に機能する組織にするためには、権限を委ねられる側が担当作業を自身で完遂できるだけの技術や能力を持っていること、(概ね)正しく判断できる判断力や決断力を持っていることが重要です。

また、書籍には特に書かれていませんでしたが、ミスがあった時に上司や周りがカバーできるように報告・連絡が徹底されていることも重要です。(本書の中では、情報伝達はそれ以前の過程でキチンとできる様になっていたので、問題にならなかったのでしょう)

とは言え、組織のすべての人員が常によく訓練されていて十分な能力を持っていることが前提になってしまうと、「委ねるリーダーシップ」はほとんどの組織で実現不可能となってしまいます(要員の交代や新人の配属はほとんどの組織であるでしょうから)。

では、マルケ艦長がどうしたかと言うと、士官や班長といったリーダー層と相談して、「いつでもどこでもに学ぶ者でいる」でいるという理念を『サンタフェの信条』して文章にまとめたのです。

この信条は良くできているので紹介したいのですが、全文を書くと長いので、一部を抜粋して載せます。

サンタフェの信条

 われわれは日常的に何を行うのか?
 われわれはいつどこでも学ぶ者でいる。

 

「訓練」ではなく「学び」という言葉を使うのはなぜか?
 訓練という言葉には受け身の意味合いが含まれる。訓練は誰かに施されるものなので、「訓練を受ける」や「訓練に出席する」という言い方をする。一方、学びは能動的である。自発的に行うのが学ぶということだ。

 

 何を学ぶのか?
 われわれは、戦闘で任務をまっとうできる潜水艦にするために必要なことを日々学ぶ。

 

(中略)

 

 学ぶことしかしないなら、どうやって業務を完了させるのか?
 仕事は行う。ただし、メンテナンス、軍事演習、救助演習、勉強をしながら学ぶ。よって、たとえ野外演習の日でも、その活動を通じて学んでいるのである。

 呼び方が違うだけで、やっていることは同じではないのか?
 答えはイエスでありノーである。学ぶ者とはいえ、艦の掃除、演習、メンテナンス、資格の取得など、さまざまな業務に時間を費やすのは同じだ。しかし、そうした作業のとらえ方が違う。日々の作業を、退屈なものだと思わずに、機器や手順に詳しくなる機会だととらえるのだ。少なくとも、その作業を誰かに教えたり、正しくまっとうするやり方を学ぶ機会であるのは間違いない。

(後略) 

 

この信条には、なぜ潜水艦で戦うのかや、訓練と学びの違いについて、乗員に期待することなどが書かれていて、組織の意義や疑問点への回答、乗員のやる気を引き出すために重要な要素が含まれています。

日本企業には、あまりこうした組織の信条が設定されているケースを見かけませんが、欧米の企業ではこうした信条を、企業全体だけではなく部門ごとに設けていたり、また、それをただ書いてオフィスの壁に掛けているだけではなく、周知徹底する様にしているところが違うなーと思ったことがあります。


そして最後の4についてですが、大事なメッセージ(変革の意義や目指す姿、など)は、なかなか浸透しないので、繰り返し伝える必要があるということです。

これ、本当にそうなんだよなぁー。いままでその組織に存在しなかった状態を目指す場合、変革後の姿って他メンバーにはなかなかイメージしづらいし、定着にも時間がかかるので、イメージが浸透し、定着するまで繰り返し繰り返し繰り返し伝える必要があるんですよねー。

変革に成功する組織とそうでない組織の大きな違いは、リーダーにあたる人が、このメッセージをどれだけ徹底して伝え続けるかだと感じています(経験上)。

私自身は、これで挫折したことが何度もあるのですが、小さなチームの変革に成功した時ですら、1年以上毎週の様にメンバーに言い続けてようやく定着したくらいなので、ある程度大きな組織で定着させようとしたら、具体的な仕組みを導入しつつ、本当に飽きるくらい言い続けないと定着させることは不可能だと思います。


ともあれ、私が関心したポイントを抜き出して書きましたが、委ねるリーダーシップを成功させるには、何をどういう順番でやるかや、やるべきコトとやらないべきコト、正しい現状理解、など、大事なポイントは他にもたくさんあります。(そしてそれらも本書には記載されています)

 

中間管理職の場合、上長の理解と協力は必要だと思いますが、メンバーを率いる立場で、組織のカルチャーを変革し、強い組織を築きたいと考えている人は、本書を読んでみてはいかがでしょうか?

 

ではでは。

書感:シリコンバレー式 最強の育て方 - 人材マネジメントの新しい常識 1on1ミーティング(すぐには効果はでませんが「継続は力なり」です)

書籍『シリコンバレー式 最強の育て方 - 人材マネジメントの新しい常識 1on1ミーティング』を読み返しました。 


世界的な有名企業や革新的なベンチャー企業が集まるシリコンバレーで、人材管理の方法として当たり前のように採用されている「1on1 (ワン・オン・ワン) ミーティング」のやり方について解説した書籍です。

 

「1on1ミーティング」は、月に1~数回、上司と部下が1対1の定期的な対話を行う時間です。その中で、部下の思いを聞いたり、相談に乗ったりします。

一般的な面談と異なり「部下のための時間」であることが特徴となります。この時間を通じて、部下の気持ちがすっきりしたり、納得感を持ったり、次のチャレンジへ行動していこうとなることが重要視される点で、上司が部下を報告を受ける/指示をする/指導や助言をする面談とは大きく異なります。

 

この書籍では、ます、なぜいま「1on1ミーティング」が必要なのか、そして、「1on1ミーティング」の中で何を話すのかが、目的別に具体的に書かれています。最後に、これから「1on1ミーティング」を始める人たち向けに、準備~実施までの非常に具体的なTipsなどが書かれています。

全体を通して非常に分かりやすく、読みやすく纏められているので、半日~1日あれば読めると思います。また、とても具体的にやるべきことが書かれているので、この書籍を読めば、明日からでも「1on1ミーティング」に取り組むことも可能だと思います(実際に始めるには、周囲の人の理解と合意が必要とは思いますが)。

 

ちなみに、この書籍の対象読者ですが、基本的には部下の育成に苦労をしている上司の方になります。

でも、「1on1ミーティング」を実施している企業の方であれば、部下の方が読んでみても良いかもしれません。上司がうまく「1on1ミーティング」を運営できているか・できていないか判定できるようになるかもしれませんし、今まで以上に「1on1ミーティング」のメリットを引き出せるようになる可能性があります。

 

さて、具体的なやり方については本書を読んでいただきたいのですが、1on1ミーティングを実践するとどんな良いことがあるかを以下に抜粋します。

  1. 上司と部下の間に揺るぎのない信頼関係が生まれる
  2. 心身が不調で休職になるところだった部下が、早期の対策で生き生き働き出す
  3. やる気のなかった部下が自発的に働くようになる
  4. 評価査定の後、不機嫌になる部下がいなくなる
  5. 仕事に飽きてきた上位2割が、再び情熱を持って業務にチャレンジを始める
  6. 「後手の対応」から「先手の対策」へと人材マネジメントが変わる
  7. 部下からの「ちょっといいですか?」のミーティング時間が本当に「ちょっと」になる
  8. 「ビックリ退職」がなくなる

 

結構、広範な効果があるので、やってみようと思いませんか? 中には、該当しそうな部下は一人もいないという方もいるかもしれませんが、そうした企業は、1on1ミーティングは不要(もしくは既に実践している?)ということだと思います。

逆を言うと、ここに挙げられているようなことが多発している企業は、1on1ミーティングの導入を真剣に考えた方が良いでしょう。


ただ、実際に実践してみると、なかなか書かれている通りにはならないというか、できないというのが正直なところです。

かつて私が所属していた企業がまさに上記に挙げられた項目のほぼすべてに当てはまる会社で1on1ミーティングを導入することになったのですが、効果を出すどころか定着させることにも苦戦していました。

そんな私自身の経験から言えることは、本書にも書かれていますが、1on1ミーティングを始めても上手に出来るようになるまでには、それなりに時間がかかるということです。

また、上司側のトレーニングをキチンと実施しないと、企業の病巣をより悪化させることにつながります。(笑えない話ですが、本書で書かれていることと真逆[※]のことを行い、優秀な社員の退職が加速するという事態が一部で起こりました・・・)

 *1

 

ともあれ、私自身は、本書を何度も読み返し、また、本書の著者である世古氏の研修を受講したりして、試行錯誤しながら1on1ミーティングに取り組んでいました。

業績への貢献などのハッキリとした効果は感じる所まではいきませんでしたが、当時の部下達との相互理解は深まったとの実感はありました。(そして、部下のことを全然分かってなかったんだなー・・・と気付かされました)

 

ただの雑談に終始してしまったり、通常の業務相談になってしまったり、なかなか書籍に書かれているようにきれいには行かないことが多かったのですが、それでも1年半くらい続けていく中で部下のパーソナルな部分を知ることが徐々にできる様になり、はじめる前よりもチームの雰囲気は良くなりました(私の主観ではなく部下の感想です)。やはり業務一辺倒だと堅くなりますからね。

個人的には、普段の目先の業務から離れた会話をする中で、お互いのことを知るキッカケができたのが良かったです。なかなか業務中だと部下と個人的なことを話すのは難しいので(飲みにケーションも嫌われるご時世ですし、下手に個人的なことを聞くとパワハラとか言われかねないですからね・・・)。


あとは、1on1ミーティングを導入するときは、上司にあたる人たちの教育をしっかり行って、最低限以下のことを徹底した方が良いと思います。

  • 1on1ミーティングで上司がやってはいけないタブーを明確にし、徹底する
     →武勇伝を語る
     →指導・助言という名の説教をする
     →「こんなことやっても意味ないと思う」など上司自ら1on1ミーティングを否定するようなことを言う
      など
  • どんなに多忙でも全部下と月に1回は必ず実施する
     →人数構成が悪い企業の場合、正規役職によらず、小さいチームに分割して実施する
      (1部門で100人の部下がいるのに、部長一人で全員と面談するので3ヶ月に1回しかできないと言っているところがありました(汗))
  • やり方を勝手にアレンジしない
     →ある部門は、チームリーダークラスの社員を上司役とし、一般社員がどのチームリーダーと面談するかを選択できるようにしていた
      これだと本来の狙いである信頼関係をベースとした人材育成ができない
      (上司部下間の1on1に加えて、他社員との1on1をしても良いとは思いますが・・・)
  • 最初から上手にできないのは当たり前なので、最低限2年間は続けるとコミットする
     →できれば半年ごとにフォローUP研修を行うなどをしないと、上司力が低い会社では失敗経験が蓄積される一方で、部下の負の感情が高まりかえって離職者を増やすことにつながります
  • ダメな1on1ミーティングを実施している上司は、匿名で通報できる仕組みを作る(など、悪い状態を是正するキッカケを作る必要がある)
     →匿名ででも誰が通報したか分かってしまう場合が多いので、通報した部下を守る仕組みは必要
      &逆に問題がある部下による悪意がある通報から上司を守る仕組みも必要

 

うーん。。。
こうやって列記すると、実際の導入にはハードルがありますね。

上司のレベルが低い会社では、1on1ミーティングを導入する前に、上司の再教育や選別を実施してからじゃないとうまくいかないかも知れません。

私がいた企業でも、「パワハラ上司と1対1で打合せをすること自体が苦痛である。拷問以外の何物でもない」と言っている社員がいました・・・

 

まぁ、会社の正式な制度として全社的に導入するのではなく、自分の部門やチームだけ独自に導入することも可能なので、自分個人の取り組みとして1on1ミーティングを実施してみるのも良いかもしれません。

その際には、本書は非常に分かりやすいので、ぜひ読んでみることをお勧めします。

 

ではまた。

*1:※.本書では、1on1ミーティングは部下のための時間であり、上司はなるべく聞き役に徹して、指導や助言をすることすら極力抑える様に書かれているのですが、当時の所属企業では、1on1ミーティングの中で上司が武勇伝を語りまくったり、滔々と指導という名の叱責(もしくは、侮辱)を行うという拷問が繰り広げられ、結果として、より一層辞める社員が増える部署が出てしまいました・・・毒上司、恐るべし。

書感:話を聞かない男、地図が読めない女(ジェンダー平等≒男女同一)

すごーく久々に、書籍『話を聞かない男、地図が読めない女』を読み返してみました。 

 

ある程度の年齢の方なら実際に読んだことはなくても、タイトルくらいは聞いたことがある書籍ではないでしょうか?
端的に言えば、男女という性別に起因する違いを様々な側面から例示し、また、それが脳の構造や生物学的な違いが原因であること、そして、その違いを理解した上でどの様に乗り越えると良いかのアドバイスが書かれた書籍です。

男女における思考パターンやコミュニケーションスタイルの違い、理系的な考え方や空間認識、または、マルチタスクや情緒的な認識能力の高い低いの差、などなど、様々な男女の違いを生物学的な理由(いわゆる男脳と女脳)とともに説明しています。

また、その上で、どの様にその差異を理解してお互いのコミュニケーションをすれば良いかが書かれています。

今となっては、男女の脳の構造が違うことは一般常識化していると思いますが、この書籍が出た2000年当時は、目新しい理論だったように思います。

 

 

本書を久々に読み返してみて、最近のジェンダー平等の流れについて、あらためて考えさせられました。

本書には、ゲイやレズビアントランスジェンダーの方たちについても記載されているのですが、これらの性的志向は遺伝子レベルで決まっており、しつけや育ち、環境などの後天的な要素はほとんど影響しないのだそうです。

だから、近年のジェンダー平等の話の中で、LGBTQの人たちの権利についても主張されるようになったのだなーと、あらためて納得しました。

性的志向が本人が自分の意志で選択したものではなく、努力で変えられるものではない以上、非難や排除をするのは不当なことになりますからね。

肌の色や容姿、その他の身体的特徴で差別するのと、同じレベルです。

 

こうした方たちに差別的な発言をする政治家(だいたいが50代60代以上の男性議員)は、LGBTQは遺伝的な特徴であることを勉強しておらず、本人の努力でどうにかなるものではないことへの認識がないのだと思います(本来、努力すべきものですらないということも)。

 

あと、ゲイ遺伝子というのがあるらしく、男性の約10%が持っているそうです。そして、この遺伝子を持っている人が実際にゲイになる確率は50~70%、つまり、世の中の男性の5~7%がゲイになる可能性があるということのようです。

なので、実際には私が認識している以上にゲイの方はいるのかもしれません・・・私自身は未だ2~3人しか、同性愛や性同一性障害だと打ち明けられた人はいませんので、そんなにいるんだー、と正直驚きました。

逆に、レズビアンになる遺伝子というのは特定されていないようで、レズビアンになる人が1だとしたら、ゲイになる人はその8~9倍になるのだそうです。

 

 

話は変わって、男女平等についてですが、男女で得意不得意や趣味嗜好、考え方の違いがある以上、何でもかんでも男女同一にする必要はないという筆者は主張しています。

例えば、高い空間認識能力が求められる航空管制官を男女の人数を同数にしなさいといっても無理があるし、カウンセラーなどの高い共感力やコミュニケーション能力が求められる職業で男性の人数を無理やり増やしても、患者さんの迷惑になりかねません。。。

なので、男性だから、女性だからといって、最初から申し込む機会すら与えないのはダメだけれど、強制的に人数を同じにするというアプローチは、職種等によっては不適切ということになると思います。

 

一方で、政治家や企業のトップなど、リーダー層については、強制的にでも女性を増やした方が良いのだろうとも思います。
世の中のおよそ半分は女性なので、男性主導で率いてきた今の世の中で制度疲労が起きている部分や女性のニーズに応えきれていない部分については、女性のリーダーが増えることによって大いに改善する可能性があるだろうと確信しています(男性の私にとっては不都合なこともありそうですが)。

ただ、問題は、いまの政治制度や会社制度だと、女性がリーダーになりたいとも思わないでしょうし、男性優位の中で少しだけ女性を増やすというのは、そこに入れられた女性にとっては非常に苦痛になるのだろうな・・・とも思います。

男性目線で作られた制度・ルールの中で、競争・評価させられるわけですから、そこに放り込まれた女性は、やってられないだろうなぁ、と。

なので、もっと女性がリーダーとして活躍できる仕組みやルール、女性がリーダーになりたいと思える環境を作るということも必要なんでしょうね。具体的にどうなれば良いというアイデアは持っていませんが。

(これまでの経験では、男性優位の会社だと、女性は管理職になりたがらない傾向が強いように感じてます)

 


それはさておき、この書籍の秀逸なところは、各テーマについてちょっとした事例というか小話が書かれているのですが、その内容がいちいち自分自身の経験に照らしても思い当たりすぎて、「あるあるー」と納得しちゃうところ。

 

そして、アドバイスは書かれているものの、これらの差を乗り越えてうまくやっていく自信はいまも今後もないなー・・・と自信喪失?してしまいました。

あと、途中に「男脳・女脳テスト」というのがあるのですが、やってみたら自分が思っているよりも男脳レベルが低かったです。判定結果は、一応男脳の範疇でしたが中性寄りの結果でした。ガチの男脳だと思っていたので意外です。。。

もし興味を持たれた方がいたら、試してみると新しい自分を発見できるかも?

 

ともあれ、男女の違いで苦戦?していたり、したことがある方は、本書をぜひ読んでみてください。20年以上前の書籍ですが、書かれている内容はまだまだ古びていないと思いますよ。

ではまた。

書感:メタボリック・スパイラルの衝撃(メタボ ⇒ 死の四重奏 and/or アルツハイマー)

書籍『メタボリック・スパイラルの衝撃 - 内臓脂肪がアルツハイマー病を引きおこす』を読みました。

東京大学医学部卒医学博士で、財団法人 ぼけ予防協会(現在は、日本認知症予防協会)の会長だった大友英一氏による「メタボとアルツハイマー病」について記載した書籍です。 

 

2008年発行とやや古い書籍ですが、いかにメタボリック・シンドロームアルツハイマー病の原因となるか、その予防に取り組むべきかについて警告した書籍です。
様々な論文を例証に、メタボがアルツハイマー病にかかるリスクを高めることをいろんな角度から紹介し、かつ、その予防に早くから努力すべきことを、とにかく強調しています。

メタボリック・シンドロームの定義は、ここで書く必要もないかも知れませんが、以下を満たすとメタボとされます(国によって基準が違うそうです)。
◆必須要件
 ・腹囲(へそ周り):男性85cm、女性90cm

◆いかの内2つ以上を満たす(1つの場合は、メタボ予備軍)
 ・中性脂肪 150mg/dL以上 and/or HDLコレストロール40mg/dL以上
 ・収縮期(最大)血圧 130mmHg以上 and/or 拡張期(最小)血圧 85mmHg
 ・空腹時高血糖 110mg/dL

そもそもメタボリック・シンドロームとは、メタボリズム(Metabolism=新陳代謝)+シンドローム(Syndrome=症候群)を組み合わせた用語で、「新陳代謝に関連した症候群(病気)」という意味です。

新陳代謝異常と密接な関係のある肥満、糖尿病=糖代謝異常、高脂血症=脂質代謝異常、そして、それらから引き起こされる高血圧が組み合わされた状態を指すようです。これらは、動脈硬化を引きおこし、やがて死に至る病脳梗塞脳卒中(脳出血)、狭心症心筋梗塞の原因になるため、「死の四重奏」とも呼ばれているのだとか。

 

そして、メタボの人は、アルツハイマー病にかかる確率も上がるということを、いろんな角度から紹介していますが、一言で言えば、太る(=食べ過ぎ and/or 運動不足)/喫煙/深酒はダメよってことですね。アルツハイマーに限らず、様々な病気の原因になる悪習慣です。。。

 

そして、予防するための食習慣と運動習慣について触れていますが、実践方法はあまり細かく書いてなかったです。でも、途中に記載されていた「ぼけ予防10ヶ条」(下記)とともに書かれていた一文『高齢になってから突然健康になろうとしても、それは無理です。健康な体を手に入れるために、よいことはいまからやる。言い訳は無用です』が、印象に残りました。

そりゃそうだ(長年、不摂生を積み重ねて痛めつけた体が瞬時に良くなるなんてことはない)よね・・・と思いつつ、なかなか悪習慣から抜け出せない自分を反省しています(肥満解消に努めようと思いつつ、某ファストフード店でフライドポテトなどを食べてしまっていたり・・・汗)。

 

◆ぼけ予防10ヶ条※

  1. 塩分と動物性脂肪を控えたバランスのよい食事を
  2. 適度に運動を行い、足腰を上部に
  3. 深酒とタバコはやめて、規則正しい生活を
  4. 高血圧、肥満などの生活習慣病の予防・早期発見・治療を
  5. 転倒に気をつけよう。頭の打撲はぼけを招く
  6. 興味と好奇心をもつように
  7. 考えをまとめて表現する習慣を
  8. こまやかな気配りをしたよい付き合いを
  9. いつも若々しく、おしゃれ心を忘れずに
  10. くよくよしないで、明るい気分で生活を

※. この書籍が出版された当時はこの名称だったようですが、いまは「認知症予防10ヶ条」に変わっているようです。時代ですね。

 


正直に言って、全般的に読みづらい(論文等の紹介が多いので、超具体的な数値や論文執筆者の名前が多い)のですが、最後の方にあるQA集はあれこれ言い訳をしてメタボ脱却の努力をしない人の声(俺か?)への反論(説得?)がまとめられていて良かったです。
回答を書いてしまうと怒られそうなので、ここでは、どの様な質問が載せられているかを記載しておきます。

  1. 時間を拘束されるサラリーマン稼業、動きの少ないデスクワークではやせられない?
  2. 体を動かす時間や空間をどう見つければよいか?
  3. おカネを払ってスポーツジムに行かなければやせられないか?
  4. せめて何をすればいいのか? 何から始めればいいのか?
  5. 健康食品や医療機関におカネを払わなければ体質は改善できないのか?
  6. 毎日疲れていて、これ以上、どうやって運動すればいいのか?
  7. 何から何まで意識的にコントロールしないと健康維持はできないのか?
  8. 健診結果を見ても馴れっこになって驚かなくなった
  9. 食べすぎているいるわけではないのに太るのはなぜか?
  10. 太りやすいライフスタイル解消のための、ちょっとした習慣とは?
  11. すでにいくつかの改善方法を試したが挫折ばかり。どうしよう?
  12. 日中、仕事で結構動きまわっているつもりなのに太るのはなぜか?
  13. 定年後、時間ができてからやせるのでは遅いのか?
  14. 不健康なデブと健康的なデブはあるのか?
  15. 治療が必要となるラインはどこか?
  16. アルツハイマー病治療薬開発で心配はなくなるのではないか?

あ、でも1つだけ、Q13だけは重要なので回答の抜粋を書いて置きます。

◆Q13.定年後、時間ができてからやせるのでは遅いのか?
『絶対に遅い。これは断言できます。
 (中略)
 脳梗塞心筋梗塞などの動脈硬化に起因する疾患の予防は、高血圧、高脂血症などのコントロールをきちんとすることで、ある程度可能ですが、動脈硬化そのものは非可逆的で進行を止めることは不可能だということです。
 定年になってからなどといっている間も動脈硬化は確実に進みます。
 かなり深刻な状態になってから、いままでのライフスタイルを苦労して変えようと努力しても、大変なわりに得られる効果は少ないのです。
 (中略)
 もう一度繰り返しましょう。
 定年後では絶対遅すぎます。また、定年後では、すべての生活改善、運動実践は困難であり、効果も大変少なくなるということをしっかり認識してください。』

 

そして、最後に筆者は、こう締めます。
The sooner, the better.


個人的には、メタボの組み合わせが「死の四重奏」と呼ばれていることが、けっこう衝撃でした。死にたくねぇなぁ・・・

 

ともあれ、もし、メタボとアルツハイマーの関係について、知りたいと思った方がいたら、読んでみても良いかもしれません。
(近年は、他にもさまざまアルツハイマーに関する書籍や情報が増えていますので、この書籍じゃなくても良いかもしれませんが・・・)

書感:東大思考(特別な才能は要らない!頭よくなろうぜ)

書籍『「考える技術」と「地頭力」がいっきに身につく東大思考』を読みました。

 

高校3年の時の偏差値が35、英語の試験は100点満点中3点だったという筆者が、東大生の思考方法を真似したら(2浪しましたが)東大に合格できた経験を踏まえて、頭が良い人の思考方法およびそれを習得するための方法がまとめられた書籍です。

 

筆者は、「『頭がいい』『悪い』を分けるのは、才能ではなく『思考回路』だ」と言い切ります。

その『思考回路』こそが才能なのだと普通は思うところですが、筆者自身の経験から「思考回路を変えれば、誰でも『頭がよく』なれる!」と、頭がよい人の思考回路は身につけることができると説きます。

 

本書の中では、頭がよい人の思考回路を次の5つに分類して、「頭がいい人は、なぜ頭がいいのか?」「どうすれば、頭がいい人になれるのか?」を具体的にかみ砕いて説明しています。

  1. 原因思考:「暗記しなくても記憶できるようになる」思考回路
  2. 上流思考:「簡潔に話をまとめることができるようになる」思考回路
  3. 目的思考:「人にうまく話しを伝えられるようになる」思考回路=
  4. 裏側思考:「他人が思いつかないアイデアを生み出せるようになる」思考回路
  5. 本質思考:「難解な問題を解決できるようになる」思考回路

 


例えば、1番目の原因思考では、東大生がなぜ短期間に多くのことを覚えることができるのかを説明していますが、そこには特別な記憶能力(=例えば、「新しい英単語を一度見たらすぐに覚えてしまう」)はないと言います。

彼ら/彼女らが覚えたいと思ったことに出会ったときにどうするかと言うと、「覚えやすいものに変換する」、「覚える対象を関連づけて、覚えるべきことを少なくする」のだそうです。それは、服を収納するときに、服のカテゴリーごとに分類して、種類ごとにしまう場所を決めて、同じ種類のものを同じ場所にしまうようなものです。

それをやり易くするために、単語なら単語のルーツ、歴史ならその事象が起きた流れ、などと源流・原因を辿って、同じ原因から派生する同じグループのものを関連付けて覚えると言います。

例えば、"unite"=「統一する」という単語があった時に、"uni"には「1つ」という意味があることを調べ、同じ"uni"を使う単語

 "uniform"=「1つの服に統一したもの→ユニフォーム」

 "unique"=「他にはないただ1つの個性→ユニーク」

 "unit"=「2つのものを1つにする→ユニット」

と類似のものも合わせて覚えると、

 "unite"=「バラバラなものを1つにする→統一する」

を、単独で覚えるよりも格段に覚えやすいと言う訳です。

記憶力の良い人は、このような「変換」が上手であり、収納の仕方が上手なので、丸暗記する量を極限まで減らしているのです。関連付けて覚えているので、全部を覚えていなかったとしても、一部を思い出せれば思い出せるようになるので、記憶の引き出し上手にもなれるそうです。


また、こうした思考回路を、ただ説明するだけでなく、考える順番をステップに分けて説明することで、再現しやすくしています。

原因探しで言えば、
 Step0. 結果探し  :覚えたい物事・事柄を探してみる
 Step1. 具体物探し :特徴的な数字や言葉の意味を探す
 Step2. 問いを立てる:その数字・言葉を使って「なぜ?」を考える
 Step3. 背景を知る :その数字・言葉の背景を調べる
 Step4. 原因を探す :「なぜ?」に対する解答を考える
といった具合です。(もちろん各ステップの内容も説明しています)

 

この様に東大生の頭の良さにつながる思考回路を細かいステップにまで落とし込んで説明していることが本書の特徴となります。また、単に説明するだけではなく、簡単?な演習も付いていますので、読んだだけで出来た気になるのではなく、実践することの後押しもしてくれています。

本書の中でも、「理解する」のと「実践できる」のは、別の問題だと書いてあります。

東大生が頭が良いのは、こうした思考回路を身につけているだけではなく、それを日常的にどんなことに対しても使っているからなのだと言います(それを「日常の解像度が高い」と表現しています)。

例えば、信号機で「青信号」と言いますが、実際には緑色なのになぜ「青」と言うのか、だとか、東京で売られている牛乳の産地は関東近県のものが多いのに対し、バターやチーズは北海道産が多いのはなぜか?など、日常生活における「あらゆること」にアンテナを張っているのだそうです。

 

実際にこれをやるには、「目に映るものすべてに興味を持って、都度、調べる」という手間を掛けないといけなくなるので、普通の人にはそこまでアンテナを張るのは困難な気がしますが、言いたいことは分かります。

個人的には、仕事などで覚える必要が出たこと、何か解決しなければいけない問題が出たこと、もしくは、今まで習慣的にやってきたことに対して、『東大思考』を応用してみようかなと思っています。

 

あと、この書籍を読んで役に立つなぁと思ったのが、欄外にある各思考回路に関連する書籍の紹介です(全20冊)。

私自身、読書好きなので、面白そうな書籍やタメになりそうな書籍の情報は大歓迎なのです。。読んで面白ければ、このブログでも紹介するかもしれません(まぁ、面白いと思わなくて、「面白くないよ・・・」も意味がある情報と思っているので、紹介するかもしれませんが)。


ともあれ、自分が実践できるかどうかはあるのですが、頭が良い人がどのようなステップで物事を捉えて考えているかを知ることができますので、

  • もっと物覚えを良くしたい
  • もっと簡潔に物事をまとめられるようになりたい
  • もっと上手に話せる(伝えられる)ようになりたい
  • もっと斬新なアイデアを出せるようになりたい
  • もっと上手に問題を解決できるようになりたい

と思ったことがある人は、本書を読んでみてはいかがでしょうか?

書感:50歳を過ぎても体脂肪率10%の名医が教える内臓脂肪を落とす最強メソッド(プチ糖質制限+プチ運動=内臓脂肪減)

書籍「50歳を過ぎても体脂肪率10%の名医が教える内臓脂肪を落とす最強メソッド」を読みました。先週に引き続き、内臓脂肪本です。 

 

自分自身も太っていた状態から痩せた経験、そして、医師として多くの患者の減量を指導する中で培ってきたノウハウをまとめた書籍です。非常に読みやすく書かれている上に、メソッド自体も実践しやすさ、継続しやすさを重視して作られているのが特徴です。

書籍の構成としては、他の類似の書籍と同様に、まず初めに内臓脂肪とは何か? どうして&どれだけ怖いのか? 等が語られます。続いて、実際のダイエット法である「池谷式メソッド」が説明されます。最後に、著者自身の経験談が書かれて締められています(ダイエットの経験だけではなく、太った際の経緯なども書かれています)。

 

で、本書のメインである「池谷式メソッド」は、「ラクラク、簡単、続けやすい」ことが強調されています。
池谷氏曰く、内臓脂肪だけをピンポイントで減らす方法はないので、やるべきことは「ダイエット」に尽きる。でも、そのダイエットができていれば、「お腹ぽっこり」の内臓脂肪過剰な状態にはならないわけで、「意志が弱い人、ダイエットに何回も失敗してきたという人でも大丈夫」なようにまとめたから「最強のメソッド」と言って良いのだと主張されています。

 

そして、「池谷式メソッド」の特徴として、以下の事項を挙げています。

  • コンビニで調達OK!
  • 甘いものもOK!
  • お酒もOK!
  • 飲み会、会食もOK!
  • しっかり食べてお腹も満足!
  • つらい運動は一切不要!
  • 日常生活のちょっとのコツでやせられる!

 

まるで夢のような(怪しい?)ダイエット法に見えますが、お菓子を無制限に食べて食べてOKとか、好きなものを好きなだけ食べてよいということではありません。制限の仕方を工夫することで、ダイエットで一番大切な「続けられること」と「習慣にできること」を重視した方法になっているということです。
ハードなダイエット法は長続きせず、リバウンドしやすいので、続けても苦にならない様に工夫されているということになります。
実際に内容を読むと、それなりに生活習慣を変えないといけないし、何より習慣化しないといけないので、言うほど「ラクラク」でもない様に思えますが、継続しやすいようによく考えられた方法ではあると思います。

 

「池谷式メソッド」の中身は、1.プチ糖質制限、2.ゾンビ体操、3.生活習慣化の3本柱で構成されています。
比率は、1.のプチ糖質制限(食事制限)で9割、2.のゾンビ体操(運動習慣)で1割のダイエット。3.は両者を継続させるためのノウハウというかTips集でした。

 

まず1.のプチ糖質制限ですが、現代人の肥満のほとんどが「糖質のとりすぎ」によって引き起こされているので、最も効率が良いダイエット法が「糖質制限」であり、「血糖値を急上昇させない食べ方」となります。
完全に、または、ほとんど主食を抜く厳しい糖質制限ではなく、1日トータルの糖質をこれまでの半分にすることを目指すとしています。その具体的な作戦として、朝食のみ主食抜きにする、かわりに、たんぱく質やビタミン・ミネラル、食物繊維を取るようにして、1回の食事量はあまり減らさない様にする。
それ以外にも食事の順番やどの様な食品が良いか、飲み会や会食があった時のリセットの仕方など、具体的なアドバイスが並んでいますが、基本は上記の事項になります。

 

次に、2.のゾンビ体操ですが、これは池谷氏が考えた、運動習慣がない、または、苦手な人向けのお手軽エクササイズです。なかなか運動が続かない患者さんと向き合い試行錯誤する中で編み出した1セット5分以内でその場でできる有酸素運動です。1日3セット実施すれば「30分のウォーキング」に相当する「究極のエクササイズ」と自画自賛されています。実際にやってみて、自宅で場所を取らずに実践できるのは良いことかと思いました。具体的な方法は、書籍を見ていただくか、YouTubeでも公開されている(“池谷式” ”ゾンビ体操”で検索すると見つかると思います)ので、そちらを見てみてください。

 

最後に、3.の生活習慣化ですが、毎日鏡を見る、毎日体重を測る、最初はちょっとの我慢から始める、などのTipsが14個書かれています。中には生活習慣化のTipsというより、隙間時間でできるエクササイズ法なども混ざっていますが、まぁ、そこも含めて、如何に日常の生活の中で少しでも運動量を増やした状態を継続するか? 食習慣を変化させ定着させるか? ということを考えて書かれていると思います。


私自身がダイエットに取り組み中で、少しでも良い方法があれば取り入れていこうと思っている状況なので、本書に書かれていることも実践できるところは実践していきたいと思います(食事などは家族の理解と協力も必要なので、どこまでできるか?と言うのはありますが)。

ともあれ、実践のしやすさと継続のしやすさを重視した現実的なダイエット法が書かれているので、これからダイエットに挑戦しよう、過去にトライして失敗したと言う人は、本書を読んでみてはいかがでしょうか?

書感:内臓脂肪を最速で落とす(最速・・・なのか?)

書籍「内臓脂肪を最速で落とす」を読みました。 

 内臓脂肪とは何か? 内臓脂肪が付くと何が悪いのか、どう怖いのか? 内臓脂肪を落とすにはどうすれば良いのか? ということが、分かりやすい文章で書かれています。新書サイズで文量も多くないのでさくっと読むことができます。

 

内臓脂肪が付くと、高血圧になり、糖尿病になり、がんになり、胆石や不妊症も引き起こし、果ては認知症のリスクも高める、と、既に脂肪肝の私をこれでもかと脅してきます。(実際そうなのでしょうけど・・・)

まぁ、言われなくても肥満&内臓脂肪が体に悪いってこと自体は知っていたのですが、ここまで畳みかけられると「さすがにやばいかな・・・」と気になってきます。数年前からこれ以上太らないように・・・と気を付けていますが、そろそろ本気でやせるかーという気にもなってきました。

 

さて、この書籍を読んで新たに学んだことが2つあります。

1つ目は、内臓脂肪が付く場所です。ここ十数年の間、内臓脂肪めっ!と、憎く思っていたのですが、具体的にどこに付いてる脂肪かって、あまり考えたことがなかったのですね。なんとなく腸の周りに隙間なくべっとりくっついてるイメージでいたのですが、ちょっと違いました。

腹筋と小腸&大腸の間にある腸間膜(小腸や大腸の一部をおなかの中でずれないように支える膜:1つの臓器でもあるらしい)という膜の間に付くのだそうです。腹筋と腸の間にこんな膜があるとは知らなかった・・・。おまけとして、いくら内臓脂肪を減らしても割れたお腹は手に入らないということ。腹筋の前にいる邪魔な皮下脂肪がなくならない限りお腹は割れないそうな(涙)。

2つ目は、日本人(アジア人)が内臓脂肪が付きやすく、糖尿病になりやすい人種だということ。日本人は、内臓を支える腹横筋と腹斜筋が弱く、筋肉で支えられないので、その代わりに内臓脂肪で支えているとのことで、これは遺伝的要素の為、どうにもならないようです。

まるまると太った大きな欧米人が糖尿病ではないと聞いて「本当かよ?」と思っていたのですが、彼ら/彼女らの脂肪の大半が皮下脂肪で内臓脂肪ではなかったということなのでした。ずるいよ!

 

ともあれ、遺伝要素に文句を言っても仕方ないので、じゃぁどうやったら痩せるのか?なのですが、こちらは正直、あまり参考というか新たに知ったことはあまりありませんでした。

超絶簡単に言ってしまえば、『摂取エネルギー < 消化エネルギー』となれば痩せるし、逆になれば太るという、覆しようのない真実が書かれています。

その上で、食事の観点(=摂取エネルギー)と、運動の観点(=消化エネルギー)から痩せるためのヒントが書かれています。

食事の観点では、いろいろ書かれてはいるのですが、少しでも摂取エネルギーが少なくなるような食べ方として野菜から食べましょうとか、そもそも食べ過ぎなのが肥満の原因なので毎食2口分減らしましょう、炭水化物ダイエットなどの極端な食事に走るのではなくバランスよく食べましょう、など、とても基本的なこと、でも医学的に正しいことが書かれています。

運動の観点では、1日3,000歩分=30分の歩行、もしくは、息が弾む程度の運動を1日30分、週5日行うことを推奨しています。要は、早歩きなど、少し息が上がる程度の有酸素運動を1日30分×週5日行いましょうということです。

このように、食事と少し減らし(1日110kcal減)、日々の運動(1日90kcal分)を10ヶ月続ければ、内臓脂肪が8.6kg減り、腹囲も約8.6cm小さくなるとのことです。1年だとちょうど10cmですね。腹囲10cm減すれば、だいぶ見た目の印象も変わりそうだな。

 

でも、最速っていうとラ○ザップみたいな3ヶ月で10kg減みたいなイメージでいたので、ちょっと肩透かし感がありました。まぁ、キツいダイエットにトライして、リバウンド体質になるくらいなら、無理なく現実的な方法で痩せましょうってことですかね。

とは言え、書かれていること自体は至極まっとうで、多くの人が実践できそうな内容ですし、食事や運動についても様々な知識を幅広く習得できるので、良い書籍だと思います。また、ダイエットで調べると出てくる様々な通説に対する現時点の医学での見解が書かれていて、裏付けが怪しい情報に振り回される前に読むと良いかもです。

 

と言うことで、痩せたいけどどんな方法で痩せれば良いか良く分からない、かつ、1年くらいかけてゆっくり痩せれば良いと思っている人にはお勧めの書籍です。